自由診療が切り拓く未来──Japan Health 2025で日本医療の新たな可能性を討論
掲載日:2025年6月30日
一般社団法人 Medical Excellence JAPAN

2025年6月27日に開催された「Japan Health 2025」にて、MEJの渋谷理事長が座長を務めるセッション「自由診療が切り拓く日本医療の新市場」が行われました。登壇者には、鴨下 一郎 先生(前内閣官房参与、元環境大臣)、澤 芳樹 先生(大阪大学特任教授、大阪けいさつ病院院長)、熊谷 直人 先生(日吉歯科診療所汐留 理事長)を迎え、医療制度の未来や国際展開を見据えた議論が交わされました。
登壇者・講演概要(登壇順)
澤芳樹先生(大阪大学特任教授、大阪けいさつ病院 院長)
心不全に対する再生医療の先端的な取り組みを紹介。iPS細胞を用いた心筋シート治療により、多くの患者が社会復帰している実例を示しました。さらに中東諸国をはじめとする海外展開の実績も共有され、日本の医療が国際的に信頼されていることを強調しました。
本講演では、「longevity medicine(長寿医療)」という概念を軸に、単なるアンチエイジングではなく、科学的エビデンスに基づく医療として再生医療の活用を訴求。サイエンスとビジネスの融合によって、社会実装を進めるためには、エビデンスに基づいた「検証型自由診療」の仕組みづくりが必要であると強調しました。国内外の需要の高まりを踏まえ、再生医療を支える制度整備と産業化への道筋が示されました。
心不全に対する再生医療の先端的な取り組みを紹介。iPS細胞を用いた心筋シート治療により、多くの患者が社会復帰している実例を示しました。さらに中東諸国をはじめとする海外展開の実績も共有され、日本の医療が国際的に信頼されていることを強調しました。
本講演では、「longevity medicine(長寿医療)」という概念を軸に、単なるアンチエイジングではなく、科学的エビデンスに基づく医療として再生医療の活用を訴求。サイエンスとビジネスの融合によって、社会実装を進めるためには、エビデンスに基づいた「検証型自由診療」の仕組みづくりが必要であると強調しました。国内外の需要の高まりを踏まえ、再生医療を支える制度整備と産業化への道筋が示されました。
鴨下一郎先生(前内閣官房参与、元環境大臣)
社会保障制度に長年携わった立場から、日本の医療制度が直面する財源の限界を指摘。皆保険制度を守りながらも、新たな医療ニーズに対応するためには、公的医療と自由診療の役割分担が不可欠であると述べました。
自由診療は単なる自己負担医療ではなく、ドラッグラグ・ドラッグロスの解消や、海外富裕層の受入れなどを通じて、公的医療を補完・支える可能性があることを提言。特に歯科分野の成功例を引き合いに、医療全体でも「横出し」「上乗せ」の自由診療を発展させる必要性を説きました。日本の強みである健康長寿を基盤とした医療を、国家の基幹産業として育てるビジョンが示されました。
社会保障制度に長年携わった立場から、日本の医療制度が直面する財源の限界を指摘。皆保険制度を守りながらも、新たな医療ニーズに対応するためには、公的医療と自由診療の役割分担が不可欠であると述べました。
自由診療は単なる自己負担医療ではなく、ドラッグラグ・ドラッグロスの解消や、海外富裕層の受入れなどを通じて、公的医療を補完・支える可能性があることを提言。特に歯科分野の成功例を引き合いに、医療全体でも「横出し」「上乗せ」の自由診療を発展させる必要性を説きました。日本の強みである健康長寿を基盤とした医療を、国家の基幹産業として育てるビジョンが示されました。
渋谷健司(一般社団法人Medical Excellence JAPAN 理事長)
医療ツーリズムの実情と展望について、国内外の制度や現場の課題を交えて紹介。急性期病院の稼働率低下や診療報酬の制約など、日本の医療機関が抱える構造的課題を指摘し、自由診療による外国人患者の受入れが医療機関の経営基盤強化や最先端研究推進につながると提起しました。
MEJが進めるアウトバウンド・インバウンドの両面戦略や、ベトナム・タイ等でのモデル事業を例に、医療を“コスト”ではなく“産業”として捉える視点の重要性を訴えました。自由診療を通じて、現場の医療従事者が正当な評価を受け、イノベーションが循環する構造づくりを目指すことの意義が語られました。
医療ツーリズムの実情と展望について、国内外の制度や現場の課題を交えて紹介。急性期病院の稼働率低下や診療報酬の制約など、日本の医療機関が抱える構造的課題を指摘し、自由診療による外国人患者の受入れが医療機関の経営基盤強化や最先端研究推進につながると提起しました。
MEJが進めるアウトバウンド・インバウンドの両面戦略や、ベトナム・タイ等でのモデル事業を例に、医療を“コスト”ではなく“産業”として捉える視点の重要性を訴えました。自由診療を通じて、現場の医療従事者が正当な評価を受け、イノベーションが循環する構造づくりを目指すことの意義が語られました。
熊谷直大先生(日吉歯科診療所 汐留 理事長)
歯科医療における予防中心型の自由診療の意義について、自院の実践を通じて紹介。虫歯や歯周病の原因となるバイオフィルムの制御を通じて、歯の喪失を防ぎ、結果的に健康寿命を延ばす医療の価値を示しました。
被せ物や義歯による補綴治療よりも、自前の歯を維持することの方が長期的にははるかに有益であるとの立場から、歯科における「自由診療=予防投資」としての考え方を提起。公的保険でカバーしきれない分野においてこそ、責任ある自由診療が重要な役割を果たしうることを強調しました。
歯科医療における予防中心型の自由診療の意義について、自院の実践を通じて紹介。虫歯や歯周病の原因となるバイオフィルムの制御を通じて、歯の喪失を防ぎ、結果的に健康寿命を延ばす医療の価値を示しました。
被せ物や義歯による補綴治療よりも、自前の歯を維持することの方が長期的にははるかに有益であるとの立場から、歯科における「自由診療=予防投資」としての考え方を提起。公的保険でカバーしきれない分野においてこそ、責任ある自由診療が重要な役割を果たしうることを強調しました。
本セミナーでは、「自由診療」という言葉に付きまとう否定的な先入観を超え、エビデンスに基づいた責任ある医療としての可能性、そして国際的な展開を見据えた日本医療の未来像について、各分野の第一人者から多角的な視点が提示されました。
公的医療制度を守りつつ、日本の医療を次なる成長産業へと導く鍵として、自由診療は今後ますます重要な役割を担っていくことが示唆されました。
MEJでは、今後も国内外の関係者との対話と共創を通じて、日本の医療が国際的に信頼され、選ばれる存在となるための取り組みを推進してまいります。