MEJからのお知らせ

一般社団法人MEJ 新理事長に渋谷健司が就任

掲載日:2023年11月14日
一般社団法人 Medical Excellence JAPAN

〈新理事長就任の背景〉

MEJは、健康・医療の国際展開を実践する中核組織として2011年に設立され、政府、医療界、医療産業界と相互協力のもと、国際医療協力を推進しています。これまで、会員企業・会員医療機関とともに、日本が培ってきた医療技術やサービスを新興国等へ提供することで、医療の国際化を支援してきました。今後は、政府との連携を強化し、民間主導による健康医療の国際展開を加速していくことで、日本が抱えるより本質的な課題解決に貢献していく方針です。こうした中、前理事長である笠貫宏は、グローバル化が急速に進むデジタル社会に即した事業展開、より戦略的かつ実践的な官民連携の展開をリードするビジョン・実行力・情熱を備えた次世代のリーダーが必要と考え、日本のみならず世界のグローバルヘルス政策において様々な実績を持つ渋谷健司を自らの後任に推薦し、理事会で選任されました。

〈渋谷健司新理事長就任コメント〉

MEJは設立以来、会員企業・会員医療機関とともに、一貫して日本医療の国際展開の推進を念頭に活動してきました。新理事長としての私の使命は、MEJがこれまで積み上げてきた事業の基盤と実績を、次の10年に向けて飛躍的に拡大させることです。業界や専門性の異なる多様な会員企業及び医療関係者の叡智の集結であるMEJが定義する「医療」は、社会システム全体を包含しており、私たちは個社や業界団体の枠を超えた第三のプラットフォームとして、新たな事業を創造できる強みがあります。アカデミア、国際機関、地方自治体、民間投資機関、市民社会などにおける自らの経験を活かし、官民とのパートナーシップを強化しながら、これまでの手法や発想にとらわれない独創的な挑戦を推し進めることで、MEJが掲げる「医療の国際展開を通じた日本経済への貢献」を力強くけん引していく所存です。

〈渋谷健司新理事長の略歴〉

渋谷健司(しぶや けんじ)は、ポピュレーションヘルス分野の第一人者で、東京大学とハーバード大学大学院で学位を取得し、グローバルヘルスの推進に貢献してきました。専門分野として、データに基づく医療政策、保健システムイノベーション、そして、官民連携に及んでおり、東京財団政策研究所・研究主幹として政策提言やEight Roads Ventures Japanのベンチャーパートナーとして医療産業の育成にも関わっています。WHO事務局長のシニアアドバイザーや感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)科学諮問委員として活躍、相馬市新型コロナワクチン接種メディカルセンター長としてパンデミックワクチンの取組みに貢献し、日本のグローバルヘルス政策を形作る上で重要な役割を果たしてきました。

1999年 米国ハーバード大学公衆衛生学博士号取得
2001年 世界保健機関(WHO)コーディネーター
2008年 東京大学大学院医学系研究科 国際保健政策学教室 教授
2019年 英国キングス・カレッジ・ロンドン教授、世界保健機関(WHO)事務局長シニアアドバイザー
2021年 相馬市新型コロナウイルスワクチン接種メディカルセンター長(現任)
    東京財団政策研究所 研究主幹(現任)
2023年 一般社団法人Medical Excellence JAPAN専務理事就任
2023年 一般社団法人Medical Excellence JAPAN理事長(現任)

〈医療の国際展開の重要性〉

世界に先駆けて、超少子高齢化社会に突入している日本にとって医療財源の減少は避けられず、コロナ禍を経てさらに多くの医療機関が財政的に苦しい状況に置かれています。一方で世界に目を向けると、経済成長に比較して、医療の成長が追い付いていない新興国が多く、日本への事業連携を期待する声が寄せられてきています。自国ではできない治療や、より質の高い治療やケアを期待する訪日医療インバウンドや、自国の医療の発展のため、日本人医師による技術指導や、有償での医療機関運営ノウハウ指導を期待する医療アウトバウンドがあります。医療の国際展開を行うことで、新たな財源を確保することが期待されています。

しかし、医療機関のインバウンド及びアウトバウンド展開は取り組むべき課題であるものの、現地の医療課題と医療環境を見極めることや現地の様々な規制に対応することは容易ではなく、政府が医療の国際展開を支援したものの、まだ成功例は少なく、いくつかの医療機関が孤軍奮闘している状況にあります。

また、日本の医療関連産業全体を見ると、同様に海外の市場を確保することが成長に不可避であるものの、海外売上高比率が高い企業は限られており、現地のネットワーク構築や薬事規制対応などに課題を抱えている企業も存在します。

MEJでは、こうした背景を鑑み、産官学民を連携させ、課題を解決する旗振り役として、渋谷健司理事長率いる新体制のもと、「医療の国際展開を通じた日本経済への貢献」を強化するプラットフォームとしての活動を行ってまいります。

〈一般社団法人Medical Excellence JAPANについて〉

MEJは、日本の方針である健康・医療の国際展開の推進のもと、これを実践する中核組織として経済産業省の支援により、2011年に設立された一般社団法人です。これまで、経済産業省の事業を受託して、新興国中心に官民ミッションの派遣、補助事業による事業支援活動を行ってきました。また、日本の優れた医療技術、医療機器・医薬品、人材育成、その他の医療サービス等を必要とする国々の要請に応える形で、必要な事業展開のプラットフォームを提供しています。2023年現在、医療機器・医療サービスを中心とした会員企業45社、会員医療機関44施設で構成されており、政府(内閣官房、経済産業省、厚生労働省、外務省、観光庁等)、医療界、医療産業界と相互協力のもと、「医療の国際展開を通じた日本経済への貢献」を念頭に、様々な国際医療協力を推進しています。MEJに関する詳しい説明は、https://medicalexcellencejapan.orgからご覧になれます。

〈Medical Excellence構想について〉

MEJでは、日本医療に期待を表明している国を絞込み、それらの国に対して包括的な医療連携を行うプラットフォーム構築を進めて参りました。すなわち、日本で産学官医連携組織であるMEJが存在するように、各国にあってもMEJのような産学官医連携組織の構築を促す、「Medical Excellence構想(以下、MExx構想(XXには国、地域名が入る))」です。既に、台湾においてはMedical Excellence TAIWANが2021年に設立され、現在、ベトナムやインドにおいてMExx構想実現に向けた活動が開始されています。この活動には、相手国の保健省を始めとする政府機関、主要な医療機関、現地産業界等が参加しており、MEJは日本の医療機関、医療関連産業とのマッチングや連携等の支援を行っています。


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