理事長挨拶

医療産業を取り戻す

ハーバード大学で学ぶ学生たちにとって、グローバルヘルスは非常に人気のある分野です。これは、医療がイノベーションを推進し、世界的に需要が高まっている産業であるだけではなく、命を救うという貴重なサービスを提供することが、多くの学生を魅了しています。

世界の主要産業は、IT、半導体、バイオ・ヘルステックなど、大きく変革を遂げています。この産業構造の転換において私たちは後れを取っているかもしれません。しかし、私は、医療は、ただの公共サービスではなく、日本経済の新たな柱、強力な輸出産業になり得ると確信しています。

ところが、現状の医療セクターは経済の足かせと見なされがちです。制約された公的医療費は、イノベーションの停滞や医療従事者の離職を引き起こし、これは我々が直面する深刻な課題です。医療を単なる公益のサービスと見るのではなく、産業としての可能性も重視する時が来ていると考えます。

古い制度に固執するのではなく、これまで培った信頼と公益資本主義に基づく新しい医療提供モデルを模索することが求められています。私たちの使命は、医療の提供を超え、より良い社会をデザインすることです。

エコノミスト誌が指摘しているように、ASEAN諸国での日本の信頼度の高さは、長年にわたる平等で平和的な関係の成果です。この信頼は、医療を含む多様な分野での国際連携、さらには「人間の安全保障」の基盤となる不可欠な要素です。

私たちがこれまで培ってきた関係性は、外交的成果にとどまらず、今日のグローバルな課題に対する協力の強固な基盤となっています。特に、ヘルスケア分野では、この信頼が国際的なパートナーシップを築き、持続可能な発展への道を開く鍵です。

MEJは、新しい時代の医療産業の成長と国際展開をリードしています。私たちは、日本の医療のアウトバウンドとインバウンドの異次元の加速を目指します。

私たちは一丸となって、ヘルスケアを日本の新たなキラーコンテンツにし、グローバルヘルスのリーダーとしての地位を確立することに全力を尽くす必要があります。皆様のご支援とご協力を心よりお待ちしております。

一般社団法人Medical Excellence JAPAN
理事長

理事長経歴はこちら

グローバルヘルス分野の第一人者で、元キングス・カレッジ・ロンドン教授および元東京大学大学院医学系研究科教授。2001 年から2008 年まではWHO において保健政策部門のチーフとして、保健システム評価手法の開発と実証分析を行った。2014 年にG7 伊勢志摩サミットに向けてエビデンスに基づく国際保健政策提言を取りまとめるトラック2 としての官民学連携の研究グループの総括を務めた。
2015 年には2035 年を見据えた保健医療政策のビジョンを策定する厚生労働省の「保健医療2035 策定懇談会」の座長を、同年には同じくG7 伊勢志摩サミットに向け国際保健外交戦略を策定する「国際保健に関する懇談会」のワーキンググループの座長を務めた。
2017 年には医師の働き方を通じた厚労省の「医師な働き方改革」副座長や2019 年には厚労省・経産省の「未来イノベーション・ワーキンググループ」の副座長も務めた。
2019 〜 2021 年までWHO 事務局長の上級アドバイザーや官民連携のワクチン基金である感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)の科学諮問委員として活躍、相馬市新型コロナワクチン接種メディカルセンター長としてパンデミックワクチンの取組みに貢献した。専門分野として、データに基づく医療政策、保健システムイノベーション、そして、ベンチャー投資に及んでおり、東京財団政策研究所・研究主幹として政策提言やEight Roads Ventures Japan のベンチャーパートナーとして医療産業の育成にも関わっている。
 1999 年 米国ハーバード大学公衆衛生学博士号取得
 2001 年 世界保健機関(WHO)コーディネーター
 2008 年 東京大学大学院医学系研究科 国際保健政策学教室 教授
 2019 年 英国キングス・カレッジ・ロンドン教授、世界保健機関(WHO)事務局長シニアアドバイザー
 2021 年 相馬市新型コロナウイルスワクチン接種メディカルセンター長(現任)
        東京財団政策研究所 研究主幹(現任)
 2023 年 一般社団法人Medical Excellence JAPAN 専務理事就任
 2023 年 一般社団法人Medical Excellence JAPAN 理事長(現任)


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